夜、心を鎮める本。
禅とは自由。夜、心の扉を開く。
「点滴ポール 生き抜くという旗印」
岩崎航・作 斎藤陽道・写真 ナナロク社
落ちゆく涙
生きると
決めた
その瞬間(とき)を
盾に 砦に
進行性筋ジストロフィーと闘いながら五行歌を創り続ける著者。
短歌という形式が凄まじい彼の日々を明確に映し出してくれます。
読者はきっと五行歌を通じて彼と対峙しなければならない”覚悟”を求められるはずです。
吐くものがないのに
吐いている
吐き地獄
これが宿業なら
吐き切れ
彼はきっと禅の修行者と同じ”求道者”だと思うのです。
世の中の業に自分の体を差し出して、悟りを求められている。
そして、その凄まじい体験を通じて、
何かを私たちに示してくれている、
そんな気がします。